出会った頃はこんな未来、想像できなくて
あなたに会えて 本当に 幸せ感じてる…
この記事は「あなたの田村ゆかりはどこから? Advent Calendar 2022」4日目の記事です。
昨日はくろこねこの「ゆかりさんとの出会いと懺悔」でした。
彼とはもう付き合いも長いので、もとより他国出身という認識でしたが、まさかのアンチだったんかい…。
なかなか驚きですねぇ。
そんな彼もいまではドップリと王国民。
人間なにがあるかわからないものです。
王国民の数だけゆかりんとの出会いがある。
思いが強いからこそ、その出会いにもそれぞれの「語り」がきっとあるはずです。
この企画を立ち上げてくれたつばきくんには感謝ですね。
あなたに会えて
さて、ここで冒頭で引用した一節を見ていただきまして、気づいた人もたぶんいてくれるはず。
ここで引用したのは、ときメモ2のED「あなたに会えて」の歌詞です。
(この記事のタイトルも)
あんまり深い意味はありません。
単に田村ゆかりさんという声優を知った「出会い」が、ときメモ2だったというだけです。
ただ、正直なことをいうと、私はときメモ2のキャラでは陽ノ下光が推しだったので、田村ゆかりさん演ずる伊集院メイは特に思い入れもなく。
その名前を知ってから十数年、田村ゆかりさんの存在は、「声と名前は知ってる」程度のものでした。
だめにんげん、ゆかり王国へ行く
たぶんヒマだったんですよね。
社会人になって数年が経ち、仕事にも慣れて金銭的にも時間的にもある程度余裕ができた。
とはいえ大学生の頃、00年代前半~中盤のエロゲ全盛期だったあの頃のようにダラダラとエロゲする気にもならず、なんとなく時間を持て余してたように思います。
当時ニコニコに上がってた、例のミリオン動画。2012~13年あたりに入国した人は、だいたい通った道なんじゃないかと思いますが、私もご多分に漏れずあの動画がきっかけでした。
あの動画は、たくさんの人にとって「入口」になるものでした。
キミに決めたんだ
ライブで歌う田村ゆかりさんは、キラキラしていて、まさに輝くような存在。
王国民のコールは統率されていて、想いを声に出していくのは本当に楽しい。
でも、そこからこの人だって確信する「瞬間」、この人を追いかけていきたいと思う「瞬間」って、けっこう飛躍があると思うんです。
私はその「瞬間」から、
この人が思いを遂げ、この人が成すことをすべて見ていきたい。
自分が少しでもその支えになりたい。
そう思うようになっていきました。
もちろん、その「瞬間」にすべてが始まったわけではなく、それもまた一つの始まりだったわけですが。
その「瞬間」は、確かにあったのでした。
瞬間
話は遡って、ヒマを持て余していた私が、ミリオン動画をきっかけに軽いノリで2012年のFiL愛知公演に行くことを決心し、ライブを翌日に控えた日のことです。
たぶん私は、あなどっていたんだと思います。
アイドル声優なんて演技なんて腰掛けで、まあお歌が歌えて仕事もらってるんじゃない?なんて。
それはなんてことのないYouTubeの動画でした。
ニッポン放送の映像付きインターネット配信を違法アップしたものでした。
田村ゆかりさんは、あえてそのようにしていたんだと思いますが、ちょっとツンケンしたキャラっぽく、あえて「外す」ような受け答えしていました。
話は声優としての演技の話題に。
「私はあんまり演技プランとか決めないかな」
あいかわらずツンモードだなぁw
「事前に準備しとかないと難しくないですか?」とたたみかけられると
「お芝居は一人で作っていくものじゃない」
「自分の演技ばかりだと、独りよがりでかみ合わなくなっちゃう」
そのときは、「ふーん」ってなもんで、「この人も演技のこととかちゃんと考えてるんだな~」程度の感想でした。
その後も、田村ゆかりさん関連の動画をポチポチ探していきました。
なにやらNHKラジオでのインタビューに行きつきます。
初の武道館ライブChelsea Girlの後、2009年頃と思しき対談形式のインタビューでした。
田村ゆかりさんの私生活から、声優の仕事について、そしてその半生を語るインタビューです。
田村ゆかりさん自身も、先ほどの動画のようなふざけた感じはなく、いわゆる「外交モード」なインタビューでした。
※「声優ばなし 田村ゆかりさん」で検索すると出てくる
このインタビューでも「台本に読み込むか?」という話題に話が及びます。
(田村さんは収録前に台本を読み込むようにしていますか?)
あまり読み込まないようにしています。
お芝居は一人で作っていくものじゃないと思うんですよ。
あまり読み込んで、他の役者さんとお芝居をしていくときにかみ合わないようになってしまうのがイヤなんですね。自分の自己満足のお芝居をして。
だからあまり読み込まないようにしています。
(ということは、現場でいろいろ調整される)
そうですね、舞台のお芝居とかと違って、何度も何度も事前に練習とかしないんですね。アニメのアフレコっていうのは。
なので、その収録のときにいきなりみんな本気でお芝居をするんですけども。
ちょっと変な言い方かもしれないですが、その瞬間を生きているっていうか、そういう感じですね。
あの時と、外してるときとマジのときと、それぞれまったく同じことを言ってるっていうのが驚きだったんですよね。
あのとき、田村ゆかりさんという人に焦がれたんだ
自身の声がコンプレックスだった子どもの頃。
国語の時間、朗読を褒められて嬉しかったこと。自分の声が自信になったこと。
中高で演劇部でお芝居することが楽しかったこと。
就職しても、お芝居することの楽しさをあきらめきれず、養成所に通い、覚悟を持って上京したこと。
たぶん、インタビューでのその半生の語りが前フリのようになったんでしょう。
田村ゆかりさんの芝居というものへの確たるスタンスを感じたんです。
私自身、社会人になって数年が経ち、仕事にも余裕が出てきたころ。
田村ゆかりさんへの芝居という仕事への確たるスタンスが、そのひたむきさが、私にとっての尊敬になった「瞬間」でした。
たぶん、それもまたきっかけだったんだと思います。
この「瞬間」だけでは、ここまで追いかけるまでには至らなかったでしょう。
そこから、ライブドキュメントを含む多くの映像作品、インタビューを読んでいけば、そのひたむきさに引き込まれていくのでした。
そこにあったものって、やっぱ「人柄」なんですよね。
ここまで全力で、私がなにを追いかけてきたのか。
なにがそうさせたのか。
それは、「人柄」に焦がれてきたんだと思います。
田村ゆかりさんの「人柄」に焦がれ、憧れ。
私はこれからも、その姿をずっと見ていたいと、そう思うのです。